極道の妻たち 第二章




キャスト

二階堂耕作
浜田組二代目組長。
(SHELL)


二階堂靖子
浜田組前組長の娘。
二階堂耕作の妻。
(MYU)

桃田俊也
耕作を心から慕う耕作の部下。
密かに靖子に恋心を抱いている。
(MOMO)

その他 劇団ひまわり























前回までのあらすじ

 浜田組の前組長が対立している山本組との抗争で帰らぬ人となった。
前組長の遺言により次期組長が公表されたが、それは組長の実子、浜田義明ではなく、
娘・靖子の夫、二階堂であった。二階堂の組長就任を不服に思う義明一派とのにらみ合い
また、浜田組の壊滅を計る山本組との抗争に頭を痛めるなか、
二階堂は山本組の奇襲攻撃により重傷を負ってしまう。












 
極道の妻たち


第二章 遺言













(桃田)
姐さん、俺がついていながら、組長がこんなことになるなんて・・・。
申し訳ありませんでしたっ!!

      



      



(靖子)

桃田、お前のせいじゃないよ。
相手が近藤じゃあ・・・相手が悪かったんだ。
幸い命には別状はないって言うし、問題はこれから先どうするかっていうことだね。

(桃田)
姐さん!!この落とし前は俺につけさせてください!
組長をこんな目に会わせやがって!山本組の奴、ただではすまさねぇっ!!

(耕作) も、桃田・・・。
(桃田) 親分!気がついたんですかぃ!



(靖子) あんたっ!

(耕作)
こんな傷ぐらいでくたばる俺じゃねえよ。
それよりもなぁ、桃田、早まるんじゃねぇ。
早まって先に手を出せば、こっちの負けだ。
お前の短気はあとで災いになるぞ、よく考えて行動しろ!
それからな・・・。今回の山本組の件だが・・・。
靖子、お前は表に出てろ。

(靖子)
義明が絡んでるというんだろ。
それくらいあたしだって見当がついてるよ。
もうあいつとあたしは兄弟でもなんでもない。
変な気は遣わないであたしの前で話しておくれよ。

(耕作)
靖子・・・。さすがにお前は勘が鋭いな。よし、全て話そう。
山本組が前組長を殺ってから、浜田組を潰すために義明を抱え込んだらしいんだ。
俺を殺れば組長になれるとでも言われたんだろう。どうせ山本組にいいように操られているだけだろうが・・・。
義明には浜田組の幹部が何人か取り巻いている。
敵は外だけじゃないっていうことよ。
いつ俺が殺られるかわかんねぇ。そこで・・・だ。
桃田、お前に頼んでおきたいことがある。
俺に万が一の事があったら、お前が組をまとめろ。
承知してくれるな?

(桃田)
組長!なんていうことを・・・!
組長に万が一の事なんてあるはずがねぇ!
仮に、仮に万が一のことがあったら、俺は組長と一緒に・・・

(耕作)ばかやろぅっっ!!

(耕作)
それじゃ、この組はどうなる?靖子はどうなる??
お前は俺の気持ちが分からないのか?

・・・桃田、背中を見せてみろ。
(桃田)え?
(耕作)背中の彫り物を見せてみろといってるんだ。
(桃田)は、はい。

(耕作)
見事な昇り竜じゃねえか・・・。
俺はこの竜が好きでなぁ・・・。
彫り物っていうのはな、いくらいい彫り師が彫っても、出来上がりはそいつの持ってる本性が現れるっていうんだ。
お前の竜は強く、冷たく、恐ろしいよ。
俺の後を継いでこの組を立て直してゆけるのは、もうお前以外にはいねぇ。

お前は一人じゃない。迷いがあったら靖子に相談しろ。
靖子はこれでも先代の血を継いだ、れっきとした極道よ。
きっとお前の力になるだろう・・・。
靖子も、桃田の事、頼んだぞ。

(靖子)あんた・・・。
(桃田)
組長・・・。分かりました!
俺、やらせてもらいます!組長にもし万が一のことがあったら浜田組と姐さんは俺が必ず守ってみせますっ!!

ですが、親分、絶対に命だけは粗末にしないでください!
それだけは約束してくださいっ!!

(耕作)
当たり前よ。この二階堂耕作、そう簡単に死ぬわけにはいかねぇよ・・・。

トントン・・   失礼しますっ!
(桃田)何だっ!

(熊田)
はっ。今、義明さんが組長のお見舞いにいらっしゃってますが・・・。



↑熊田

(桃田)
義明?帰ってもらえ!
組長は今おやすみになっていると言えっ!!

(熊田)
はっ!
・・・あっっ!義明さんっ!

(義明)帰れだとぉ?とんだご挨拶じゃねえかぁ。

↑義明
(靖子)
義明、いまさら何しに来たの?
お前が裏で何をしてるのかは分かってるのよ!
ここはあんたの来る場所じゃない。早く出て行きなさい!!


(義明)
なんだよ姉さん、そんな怖い顔しちゃって!
折角かわいい弟がお義兄さんのお見舞いに来たって言うのに、俺が何したって言うんだよ・・・。

しかし組長ともあろうもんが、このザマじゃねぇ・・・。先代も、とんだ後継者選んじゃったもんだよね。あ、失礼。ふふん。

(桃田)貴様ぁ〜!!

(耕作)やめろっ!桃田っ!!

(義明)
なんだ、桃ちゃんまで怖い顔しちゃって!
お前もいい腕してるのに、どうして義兄さんの側を離れないのかなぁ・・・?
あ、そうか!姉さんがいるからだよね。
お前、姉さんが好きなんだよね。くくっ案外義兄さんがこんなことになって喜んでるのはお前だったりして・・・・いや、冗談だよぉ。あははははっ。

(桃田)ぐっっ!!

(靖子)
義明、帰りなさいっ!!
(義明)
いつまでも姉貴ヅラするんじゃねえ!

言われなくても帰ってやるよ!
組長さん、せいぜいお体を・・いや、命を大切になっ!

バンッ!

桃田は黙って義明の後姿を見送っていた。
握った手が震えているのは、義明への怒りのせいなのか、
自分の気持ちを見透かされた焦りなのか、桃田には判断がつかなかった。

第二章  遺言


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